GEKA社製パンチングプレスの製品

CAM 製品のせん断面は比較的大きく、二次せん断面が生じている。 二次せん断面は製品の用途によっては問題となる場合もある。 その場合は同機にオプションの型を装着すればシェービングが可能であり、ドリル加工と同程度の品質の製品が得られる。 型寿命はワークに大きく左右されるので一概には言えないが、1万から40万ショットといわれ、 一般的には金型が非常に安価なので再研磨は行わずに使い捨てとされている。


製品の用途

CAM GEKA社は日本国内においてはあまり知られていないが、75年の歴史と年間約3000台の納入実績を持ち、世界の厚物をターゲットにしており、 製品分野は以下の通りである。(図5)

1. 土木・建築資材
2. 農機具
3. 鉱山機械
4. 大型トラック
5. 軍事兵器

しかし、国内においてパンチプレスでは加工されたことのない製品分野であり、今後日本で、どのような製品の加工にこの機械が活用されていくのかが最も興味深い点といえよう。

不況の時代を乗り切るための方策の1つとして、機械加工から塑性加工への転換による製品のコストダウンがいわれて久しい。 従来、ドリル加工やプラズマ溶断で加工していたワークを、GEKAのような加工機械による製造方法に置き換えることができれば、厚板であればあるほど大きなコストダウンにつながる。 厚板の製品はその製品重量からくる輸送費のことを考えても、海外流失しにくいジョブとなる可能性が高い。

ここで、特に明記しておきたいことがある。厚板加工製品の場合、建築構造物的な用途がおのずと思い浮かぶが、業界によっては金属疲労等の懸念から、 今回のような塑性加工を行うことが法的に規制されているという話を度々耳にした。 もちろん、これはあらぬ誤解である。 建設省を始めとする各省庁へ問い合わせを行ったこともあるが、そのような法律は一切存在しないし、製造方法を管理する手法もないとのことであった。 塑性加工で生産した製品は加工硬化もあり、機械加工製品に比べ強度面で優秀である場合が多い。 これらのことに関しては、過去に多くの論文等が発表されている。


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Last Updated - 98/07/23